『
秋空に舞うコンフェティ』体験版をプレイしました。
BGM最高 何といっても今作の目玉は主題歌のみならずBGMを菊地創が担当していることです。菊地が主題歌を担当することはよくありますが、BGMも含めて全面的に音楽面を受け持つのは珍しいと思います。そしていくつかのBGMにはriyaがコーラスとして参加しています。R.U.R.U.R.のBGMにWHITE-LIPSのコーラスが使われていたのと似た感じですが、今のところ『コンフェティ』のBGMではコーラスが派手に活躍するシーンは見られません。それでもファンなら必聴でしょう。
CGは相変わらず 絵に関しては詳しいコメントはできませんが、原画はもちろん植田リョウです。背景CGも細かく書き込まれていますし、原画と淡い感じの塗りがマッチしていてよい感じです。前作のように思わず笑ってしまうほど極太のおさげを持っているキャラもいません。
シナリオ面に若干の不安と密かな期待 担当は若瀬諒です。体験版では主人公が演劇部に巻き込まれるまでの顛末が描かれています。ですが、肝心のそこに至るまでの過程が不十分と言わざるをえません。
完全に周りの濃いヒロインたちに振り回されてしまった、という展開であれば主人公の心理などどうでもよいでしょう。しかし今作では主人公自ら演劇部に関わるという決断を下します。ですので主人公の心理描写が非常に重要になるのですが、主人公はハーレムげーの無色主人公の傾向が強く描写が足りないため、プレイしていてキャラが掴めず思考をトレースするのが困難です。体験版終盤では結局なぜ主人公が演劇部に関わることを決断したのかがよくわからず、ストーリーが唐突に感じられました。お約束な展開で結末が予想でき、プレイヤーの関心はその過程をいかに上手く魅せるかという点に集約されてしまうので、書き込みの不十分さがよけいに強調されてしまっています。
『どうしてもこのヒロインを助けたいんだ』とか『生徒会の横暴は許せない』といった主人公のイデオロギーや思いが読み取れるテキストだったらよかったとおもうのですが、現状ではそれがありません。しかも最後に主人公の決断を後押し(?)したのは級友の剣崎将斗です。この展開には正直げんなりしました。そろそろ主人公が決断を下すはずなのに一向にその気配がないな...と思っていたところでの登場ですから。
しかし『秋空のコンフェティ』にはまだ明かされていない謎がいくつかあります。その中に主人公の行動原理に影響するような事柄も含まれているとしたら?最後まで読み終えたときに主人公の行動に一本の強い芯が通るのであれば大化けする可能性が大いにあります。分の良い賭けとは言えませんが、ちょっと期待をしています。
きがむいたらじっくりリプレイしてみようと思います。飛行機の中でプレイしたので読みおとしも大分ありそうですし。