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01. 紅葉 Dm
作詞・作曲・編曲:樋口秀樹
歌・コーラス:WHITE-LIPS
『紅葉』は『きっと、澄みわたる朝色よりも、』の主題歌であり、作品中では二回使用されています。
・第一部 ムービーのBGM(ショートバージョン)
・第三部 最後(フルバージョン)
『紅葉』フルバージョンをムービーに使われているショートバージョンと比較してまず気付くのは、曲の最初と最後に追加されたピアノの独奏です。この独奏パートは三連符を基調としており、曲の本体(独奏部分以外)とは異なるテンポ(あるいはリズム)で奏でられているのが特徴的です。そのため、独奏部は単に前奏や後奏の延長というわけではなく、曲の本体とは多少独立したものであると考えられます。ピアノの独奏フレーズは前奏と後奏で同じものですが、ここで曲の構造を『きっと、澄みわたる朝色よりも、』の世界と対比させれば、独奏はちょうど物語の表紙と裏表紙の役割を持っており『紅葉』の世界を閉じているのだと解釈できます。
ピアノの独奏はDの単音で始まりDの単音で終わっっており、さらにDm調を強調する進行になっていることから、これが加わることによって『紅葉』の調Dmがより強く前面に押し出されています。『紅葉』がDmであるということの意味は、エンディング『明日を描く想いの色』との対比によって理解できます。つまり『明日を描く想いの色』はDで始まりAへと移調していますが、これはDmの『紅葉』の世界に対する凱歌(D)、そして『紅葉』の世界(Dm)から新しい世界(A)への移行という構図であると解釈できます。
さらに指摘したいのは、フルバージョンの曲の最後に使用されているチャイム(キラキラ♪)です。その意味は『紅葉』の世界が昇華し「『朝色』にさようなら」となったことを象徴しているのだと解釈できます。この説明は第一部でムービーのBGMに使われているショートバージョンにおいてはチャイムが使用されていないことと整合性があります。
こうして前奏と後奏の違いに着目して考えると、ショートバージョンとフルバージョンは単に長さが違うだけでなく、曲の持つ意味合いからして別物であるといえます。つまり閉じられた世界の中に視点を置てイメージを切り出した『きっと、澄みわたる朝色よりも、』のテーマがショートバージョンで、世界を俯瞰しその結末までを物語としてとらえている『きっと、澄みわたる朝色よりも、(中略)、この手は繋がっている。』のテーマがフルバージョンであると解釈できるのです。このようにショートとフルの使い分けがなされているゲームをhalは他に知りません。
これでようやく、なんとか音楽集発売前に特典サントラのレビューが完成しました。以前に書いたものを自分で読み直す気はなくて、何を書いたのかもあまり覚えていないのですけれどねw
主題歌『紅葉』のレビューはこちら
ED『明日を描く想いの色』のレビューはこちら
ED『明日を描く想いの色』のコード付の歌詞は こちら
IM『藤の帳と夜の歌』のレビューはこちら
初回特典サントラのトラックリストは こちら
#2-6のレビューは こちら
#7-16のレビューは こちら
#17-23のレビューは こちら
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