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LANケーブルでスピーカーケーブルを自作してみた

目的と背景
 オーディオおたく(以下オーオタ)以外の方にはぴんと来ないでしょうが、オーディオショップで売られているアクセサリーにスピーカーケーブルというものがあります。スピーカーケーブルは一般に二芯が一本のケーブルの内部で絶縁されている構造で、これはアンプとスピーカーを結線する回路を形成するためです。ここでいうスピーカーはパッシブスピーカーといってアンプを内蔵していません。これに対してパソコンなどから直接接続できるスピーカーはアクティブスピーカーといって、アンプを内臓してあります。
 さて、このスピーカーケーブルは心材やコーティング、絶縁体の素材、太さなど様々なものが販売されていますが、電気的機能に着目すれば良導体で回路を形成しさえすればよいのですから、その辺に転がっている銅線や電源ケーブル(これも二芯)、果てはハンガーなどでも代用できるわけです。そこで今回は余ってしまったLANケーブルを使ってスピーカーケーブルを自作してみた、というお話です。

 実はオーオタにはケーブル肯定派とケーブル否定派の二派が存在していて、2ちゃんねるなどで激しい論争を展開しています。スピーカーで音質が変化する、という事に異論を挟む人はいませんが、CDなどの音源からスピーカーまでを繋ぐ回路には、CDプレイヤー、トランスポート、DAC、チャンネルディバイダー、プリアンプ、パワーアンプ、そして各種ケーブル .etc と多くのパーツが存在しています。個々のパーツを取り出して正確に評価するのは難しく、聞く人の主観が強く反映されるのでそれぞれのパーツについて肯定派と否定派が存在しています。その論争が最も激しく行われているのがケーブルなのです。詳しくは2ちゃんねるなりグーグルで調べてもらえばよいとおもいますが、両派の基本的スタンスは

肯定派:ケーブルによって音質は「激変」する。この程度の違いも分からないのは駄耳
否定派:ケーブルはただの思い込み。高級ケーブルは根拠がなく、メーカーのぼったくり

こんな感じです。halの個人的な意見は、「ケーブルによって音は多少変化する。厳密に聞き分けられないとしても、プラシーボ効果も音質を作る重要な要素である」というもので消極的肯定派、といったところでしょうか。音質の変化があっても「ケーブルの影響なんてない」と思えば聞こえなくなる程度のものでしょうから、否定派を否定はしません。逆に「激変する」と思い込むのも結構なことだと思います。

 そろそろ本題に移ります。今回スピーカーケーブルの素材として選んだのはCat.6のLANケーブルです。そんなあほなことやるなよ、と思われるかもしれませんが、実は立派なオーディオメーカーがLANケーブルをスピーカーケーブルとして利用している例があります。



Nuforce Icon オーディオアンプ ブラックNuforce Icon オーディオアンプ ブラック
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ここではCat.5のLANケーブルが利用されていますが、Cat.6でも原理的には全く問題がありません。それでは製作工程に移りましょう。


製作工程
1.ケーブルを切る
 用意したのは5mの紫とアイボリーのLANケーブルです。+と-の極性を判別するために色の違うケーブルを使うのがよいでしょう。LとRで同じ長さのケーブルを用意する必要があるので、二本のケーブルをど真ん中で切ります。ついでに本来のLAN端子も切り落としてしまいましょう。

ケーブル切断












実は、LANケーブルは内部に4対8本の撚り線が絶縁されて入っていますので、一本のケーブルでもスピーカーケーブルを作る事ができます。実際上述のNuforceのiconでは、LANケーブル内の8本の内部銅線のうち3本ずつを+, -に振り分けています(残りの二本は専用スピーカー用のネットワーク情報)。しかし今回は潤沢にケーブルが余っているのと、内部の銅線のうちどれをプラスとマイナスに振り分けるかで頭を悩ませたくなかったので贅沢に二本のケーブルを使いました。振り分けなんて関係ないだろ、と思われるかもしれませんが、肯定派にとっては重要な問題です。気になる方は「スターカッド」「並列」などで検索してみるとよいでしょう。

2.撚る
 なんで撚るの?と問われたら音質的な利点については明確に答えられませんが、少なくともLANケーブルのような超高周波・超高速転送では銅線を撚る事によってノイズを減らしています。スピーカーケーブルにおいても、撚ったり編んだりしている構造はよく見られます。もちろんこの工程をすっとばしてすぐに結線しても構わないのですが、見た目のそれっぽさもオーディオにおいては重要ですw。今回は二色ツイスト型のケーブルを目指してみました。カナレの4S6のように、綿糸などの絶縁体と一緒に、ゴムホースのような絶縁体で覆ってしまうのも一つの選択肢です。この場合直系20mmを超えるような超高級ケーブルと見間違うばかりの極太ケーブルができます。ゴムホースが余ってないのでやりませんでしたが、以下のようなケースではこちらの路線をオススメします。

オーディオ初心者やケーブル否定派が、ケーブル肯定派や、漠然とオーディオに投資しているオーオタを試すor揶揄する場合;
否定派「実はとあるコネでものすごいスピーカーケーブルを手に入れたんだ。これを聞いてまるで考えが変わったよ」
肯定派「それは興味深い。どこのメーカーでどんな構造なんだい?ちなみに今私が使っているのは......」
否定派(誰もそこまで聞いてねえよ...(汗))「まあとにかく騙されたと思って聞いてみろよ」
実は騙してるのですが、こういう流れでネタを明かさずに一緒に試聴して反応を楽しむのが良いと思います。この場合、できるだけそれっぽい外見に仕上げるのがポイントですので、やたらとぎらぎらしたホースとかが威圧感があってよいと思います。


ケーブルを撚る












 大分脱線してしまいましたが、作業は単純に撚るだけです。長さあたりの撚り数を決めておくと均質に撚る事ができます。注意点は、二本のケーブルの硬さが異なると撚ったときに必要な長さが違ってくる、ということです。これは硬いケーブルのほうが直線性が強いためです。

ケーブルを撚る前に














 もう一つ注意すべきはケーブルの方向です。普通LANケーブルには印字がされていますが、この方向を揃えた方がスピーカーケーブルっぽくなります。というのも大半のスピーカーケーブルには電気の流れやすい方向が設定されていて、矢印や印字などで示されているのです。普通は矢印や文字がアンプからスピーカーに向かうように結線します。そういうわけで、LANケーブルの印字の向きが逆になっているとスピーカーケーブルっぽくなくなる、という話です。音質的には全く未知数ですが。
追記:ブラックロジウムのT90なんかは逆方向の矢印が印刷されています。ツイスト型の場合は印字していないのが一般的ですが、あれば逆方向の方が普通かもしれません。二芯が平行の場合は片側にのみ印字が一般的です。

既製品との比較














 有名なベルデンのガラガラヘビ(9497)と比較してみました。ガラガラヘビの方がきつく撚ってありますが、同じベルデンでも8460なんかはかなりゆったり撚っているので、その辺は好みでよいと思います。音の違いのわかる人はちゃんとこだわってくださいね。

3.皮膜を剥く
 2番まででケーブルとしては完成していて、すでにスピーカーケーブルが切り売りされているのと同じ状態です。あとは末端の処理ですね。バナナプラグやYラグを使うのも手ですが、余剰もないので今回は裸で結線します。
 まずはLANケーブルの外皮を剥がして内部の導線を露出させます。使うスピーカーやアンプの端子の構造にもよりますが、5-10cm程度でよいでしょう。ペンチやハサミで簡単に剥がせますが、万一中のケーブルを傷つけてしまった場合は全体を切って短くすればやり直せます。外皮を剥くとこんな感じになります。

外皮を剥く












既に述べたように、LANケーブルは4対8本の内部構造をしています。写真は4対のうち1対の撚りを戻した状態です。これを4対全てについて行い、さらに内部の皮膜を全て2cmほど剥きます。本数は多いですが、内部の皮膜は柔らかいのでペンチでもスポスポ簡単に剥けます。端一箇所につき1分もあれば十分でしょう。

内被を剥く












あとは極性に注意してアンプやスピーカーに接続するだけですね。今回は紫を+にしました。一般の二色撚り線のスピーカーケーブルは色が違うだけでどちらを+にしても音質は変わらないとされますが、今回は違う製品のケーブルを二本用いているので極性によって音が変わる可能性はあります。実際アイボリーの方が硬かったので10cmくらい長さが違っており構造自体に差があります。同じ製品の色違いを用いればクリアできる問題なので、気になる人はLANケーブルを用意する段階で注意しましょう。ベルデンのオーディオ用LANケーブルを使ったり、LANケーブルを4本用意すればバイワイヤ仕様になったり、3本あれば編み込んだりできたり...色々試せて面白いと思います。

ケーブル完成












ケーブル接続














きになる結果

 折角LANケーブルをスピーカーケーブルに仕立て上げたのでごく簡単なインプレッションを記します。否定派の人は読み飛ばしてくれてかまいません。そりゃあもう完全な主観ですから。

・低音の締りや解像感が高いわけではなく、悪く言えばぼけぼけ。
・高音はよく伸びる。
・柔らかく暖かい。美音というより楽しい音。
・音場はぼんやりと広がる印象。


参考までに現在所有している主なスピーカーケーブルは価格順に大体こんな感じです。

Kimber 8TC
BlackRhodium T90
QED Silver Anniversary XT
Zonotone 6NSP-2200S
QED Silver micro
カナレ 4S6
IN-AKUSTIK PC-0.75C

 今回のLANケーブルはCat.6のケーブル5m x 2 を使っているので、短め・安めに見積もると4mで2000円になり、メーター500円程度になります。価格的にはSilver microと同じかやや安いくらいです。さらに参考までに、切り売りスピーカーケーブルの価格帯は

- 100円/m :おもちゃ
- 200円/m :入門用
- 1000円/m :ちょっとグレードアップ
- 2000円/m :それなりのケーブル
2000円/m - :ハイエンドへの入り口

この程度と思ってもらって問題ないでしょう。これより上は天井知らずですが、メーター1万円を越えると殆どのケーブルは末端処理がしてある完成品になります。

 試聴環境
DAC: ONKYO 200PCI LTD
アンプ: Nmode X-PM1
スピーカー: ALR JORDAN EntrySi



ONKYO WAVIO PCIデジタルオーディオボード SE-200PCI LTDONKYO WAVIO PCIデジタルオーディオボード SE-200PCI LTD
(2008/04/05)
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