「
暁の護衛~罪深き終末論~」
評価:★★☆☆☆
非常にバグが多く完成度が低いです。音声が再生されない、テキストと音声が一致していない、シナリオの展開がおかしくなる、などver1.02のパッチをあてても修正し切れていません。バグでなくても戦闘シーンで立ち絵同士がぶつかっているだけ、などお粗末な点も多かったです。
シナリオはさあこれから転結だというところでぷつりと終わるものが多かったです。テキストには前作同様光るものがあるので、良くも悪くも衣笠作品といったところでしょう。ただし今回はシリーズ完結編でシナリオに対要求度が高かったということ、完成度が低かったことが影響し、悪い部分のほうが目立ちました。
以下ネタバレ
最初にクリアしたのは麗華Badでした。あきらかなBadエンドだったため、Trueに入るためにかなり前の部分からやり直しましたが、上積みがほとんどないやっつけなTrueだったのでがっかりしました。これならばTrueとBadに分ける必要は全くなかったと思います。終盤のたたみ方がいい加減だったのもきになりましたが、前作で活躍したソナタとカナタがTrueでも犬死にしたのが納得できませんでした。
次に禁止区域ルートにはいりましたが、これが失敗でした。朱美、清美、詩音ルートを一切クリアしていなかったので、禁止区域ルートよりもさらに先があると思ってしまいましたが、実際は禁止区域ルートが最終ルートで他のルートはその手前で分岐するものでした。禁止区域ルートがかなりぷっつり終わったときにまだ本筋に続きがあるのか?と思ってしまいました。朱美ルートの伏線で風子が海斗を殺すと仄めかしていたので、まだ黒幕や真の展開が隠れているのかと。
あくまで脇道でしょうが、朱美ルートと詩音ルートは単品としてはそれなりのシナリオだったと思いました。他のルートもこれらのルート程度のたたみ方をしてくれれば作品全体におおきな不満はなかったでしょう。清美ルートは家族を納得させるところが描写されていなかったことを除けばよかったと思います。
沙代ルートは不要だと感じました。そもそもキャラクターとしての存在意義がわかりません。禁止区域ルートを本筋だとすると不必要なキャラクターが多すぎましたね。前作までのキャラクターが殆ど活かされていないのも残念でした。禁止区域ルートと麗華ルート(と薫)さえしっかり展開してくれれば他はなくても、ファンディスクに回してもよかったのですけれど、肝心のルートが一番駄目でした。
今作は残念な出来でしたが、予想された事態だといえばその通りです。それでもこのテキストは衣笠にしか書けない面白さがあります。そんなわけで衣笠の次回作も購入するつもりです。