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初回特典でついてくる厳選サウンドトラックCDを聴いたので、曲ごとの感想や解釈を簡単にまとめてみました。全曲については書き終えていないし、長大になってしまうので今日はキャラクターのテーマ曲(トラック2-6)についてまとめます。一々"かもしれない"などと書くのはくどいし面倒なので、確信を持っていないことでも断定調で記述している場合があります。ゲームをプレイしたり、曲を聴いてhalが勝手に思い込んだことですから、樋口や他の方からしたら笑ってしまうような所が多々あるかもしれません。専門的な表現はできるだけ避けています。ネタバレを避ける努力はしていますが、本編の内容に対する多少の含みはどうしても排除し切れませんのでお気をつけください。
トラックリストは こちら
02. 与神ひよ Am
静かな出だしから始まる旋律は優雅だけれど無駄がなく、そつなく完璧すぎて非現実的・非人間的ですらあるひよのイメージが提示されます。中盤はピアノの主旋律だけを見ると単純明快なC調の曲なのですが、通常とは少し違うコードに乗せることによって、序盤とはがらりと変わり重苦しい雰囲気になっています。ここでの伴奏は弦によって刻まれる四分音符なのですが、二つのコードを交互に繰り返すことで前に向かって歩いていくイメージがさらに強調されています。これらが合わさると、辛さや苦しさを乗り越えて努力を重ねてゆくひよの姿が浮かび上がってきます。弦の刻みと入れ替わるようにチェロが加わると、ひよの不安を表すかのようにピアノのメロディーも平坦になり曲は停滞を迎えます。しかしそれはごく短い間で、チェロがオクターブ下へと沈んで消えると、きらきらとしていて透明な、透き通るだけれど内に抱える熱さを隠しきれない、ひよの想いを象徴するような旋律が奏でられます。そして曲は再び冒頭に戻ります。それら全ての想いを抱えて、ひよはひよとして生きてゆくのだというように。
03. 夢乃蘭 E
オーボエの主旋律にホルンと弦の刻み、という組み合わせで曲が始まります。リズム自体はありきたりなのだけれどどこか楽しいパーカッションが全体に軽やかさと明るさを与えています。パーカッションがいなくなり主旋律が他の楽器に移り変わっても、明るさはかわらず暖かく安らげる曲調が維持されます。メジャーセブンスなどの複雑な響きの和音が目立つ"樫春告"とは対照的に明快な音で構成されています。"お花畑は唐突に"が担当しているためかこの曲からはおやじくささは感じられませんが、やや大げさな印象のするホルンが彼女のズレを示唆しているのかもしれません。
04. 樫春告 A
主旋律は和風でありながら伴奏は陽気な南国風というあからさまに違和感のある組み合わせです。笛の奏でる主旋律はすっ呆けて斜めに上を行っており、春告のふざけた態度が再現されています。後半も同じ伴奏なのですが、笛が抜けて調和的な組み合わせになっています。短いサイクルで同じフレーズが少しずつ変化しながら繰り返されているところは、あーでもない、こーでもない、と内心では色々と思案している様子を表しているようです。
05. 若 Dm
短調に笛や琴を乗せた和風の曲です。物語のような美しさがありますが、同時に空虚で乾いた響きがあります。後半では同じフレーズを繰り返す伴奏がいわゆる"昔話"を想起させ、視点が過去に移ったのだと解釈できます。ここで登場する揺れるシンセサイザー、それに続くチェロが彼女の立脚点を示唆しているのではないかと思われます。
06. 青姉妹 D
冒頭から弦に刻まれるリズムによって、わが道をゆく感じが示されています。後半になると一転、行く先の定まらないフルートは二人の内心の葛藤を表しているかのようです。
トラックが進むにつれて失速したわけではありません。書いた順番はトラック番号と無相関ですし、この中では一番最後に書いたのがひよです。なんだか段々恥ずかしいことが平気で書けるようになってきた自分がすこし怖いhalです。BGMの感想をまとめるのは初めての経験なので、後で読み返したらやっぱり恥ずかしいのだろうなとは思います。